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2007年9月19日 (水)

累犯障害者

Cimg0917  残暑お見舞い申し上げます。

 研究室のダンボールつめも一段落し、今日は、転籍にともない提出が要請されている文書の準備の合間に、山本譲司『累犯障害者:獄の中の不条理』(新潮社、2006年)を読了しました。

 著者である山本さんは、1996年に衆議院議員に当選し2000年には再選を果たしたのですが同年に政策秘書給与の流用事件を起こし、その服役中の体験談『獄窓記』を物した人です。この『獄窓記』には、服役中の障害者の処遇問題が、赤裸々な体験を下に書かれていました。

 本書では、さまざまな理由で福祉とつながることのなかった障害者が社会でも注目を集めた凄惨な事件を起こしてしまった経緯や、触法障害者が社会の中での居場所を失った存在となっている現状など、とくに軽度の障害者(もちろん、その多くは犯罪とは無縁の生活を送っているのだが)が福祉の場面でいかに軽視されているのか、そしてこのことが原因で、さまざまな刑事事件に巻き込まれてしまっているのか、という点が著者ならではの視点で述べられています。

 そのなかで著者は以下のようにいいます。「国会議員在職時、『セーフティーネットの構築によって、安心して暮らせる社会を』などと、偉そうに論じていた私。ところが、我が国のセーフティーネットは、非常に脆い網だった。毎日たくさんの人たちが、福祉とつながることもなく、ネットからこぼれ落ちてしまっている。そして、司法という網に引っかかることによって、ようやく生き長らえていた。そう考えれば、『刑務所は、行き場を失った障害者たちを保護する施設』ともいえるのではないか。」(223頁)

 みなさんは、著者の自省の言葉ともいえるこの激白に、どのような感想を持たれますか。

 【マイ・ライブラリー/最近の配架】

 江波戸哲夫『小説 盛田昭夫学校』上・下(プレジデント社、2005年)。

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